2011年5月27日金曜日

春山総括

春山営業を終えて下山してきました。

今年の4月は寒気の影響で気温が低く、風が強く、吹雪いて誰も剱に登れない日ばかりでした。
そして、たまに南からの暖気でゆるむと大きななだれが発生してました。平蔵谷では上部から真砂まで続く大規模ななだれが発生し、しばらく人が入れない状態にもなりました。警備隊やガイドさんたちも驚いておられました。山荘近辺でも剱沢から剣山荘の間で剱御前の中腹から剱沢本渓を埋め尽くすように大きな雪崩が出たりしていました。こんなに大規模なデブリははじめてみました。
スーパー台風並の風がずっと吹いてまして、雨戸も閉めっぱなし、発電機も止めて、ずっと雪を溶かして水作ってました。風のおかげで、小屋の回りは雪がたまらず、除雪は楽でした。

この時期人気のバリエーションルート、源次郎尾根も例年よりかなり雪が多くて、
皆、途中で敗退して帰ってきてました。そんな中、テント場のお客さんが低体温で亡くなられたのは残念でした。
 
5月に入ると少しは天候もよくなり、多くの方でにぎわいました。お泊り頂いた方ありがとうございました。
最近は、ガイドさんと源次郎、八ッ峰を登る方と山スキーで長次郎や三の窓雪渓を滑りに行く
バックカントリースキーの方が多いです。スキーで剱沢~池の平~大窓~馬場島のコースも人気がありますし、剱頂上直下の大脱走ルンゼに行く冒険者もいますよ。

山に入って18年になりますが、いつも思うのは山って毎年同じってことがないこと、雪の積もり方や量、風の吹く年ない年。こんなに~ははじめてだー。と毎年言ってる気がします。

ゴールデンウイークの時期に吹雪きの日から五月晴れになった日の気持ち良さってありえんくらいの開放感なんですよね。山って天気次第だなーということをつくづく感じます。



残雪は剱は多いけど山荘の周りは例年より少ないです。いつもは、はい松こんなに出てることないのにね。